賃貸アパートでアンペア数を変更するには?手続きは簡単!だけど注意点も気を付けよう

賃貸アパートで、アンペアを変更したいんだけどどうしたらいいのかな?
生活の中で、どんなに気を付けていてもブレーカーがあまりにも落ちるときは、使用できるアンペア数そのものを変更してしまうのが手。
とはいえども、どうやって変更したらいいのか?そもそも勝手に変更していいのか?わからないことが多いですよね。そこでこの記事では、賃貸でのアンペア変更について、1から詳しく解説していきます。ちなみに、アンペア変更をするときに絶対に気を付けてほしいこともあるので、そちらについても説明しますね。
ぜひこの記事を片手に、アンペア変更を進めていってください。
賃貸でのアンペア変更の進め方
それではさっそく賃貸でのアンペア変更の手順を説明していきますね。以下の手順で進めていきましょう。
- 必要アンペア数を決める
- 管理会社にアンペア数を変更していいか確認・許可を取る
- 契約している電力会社に変更を依頼する
1.必要アンペア数を決める
まずは、今のアンペア数の確認と、そこから何アンペアに変更するのかを決めましょう。今のアンペア数は、契約書や毎月届く検針票などで簡単に確認ができます。
一般的に、一人暮らしの場合の適正アンペア数は20A~30A、2人暮らし以上であれば40A~60Aが適正アンペア数とされています。基本的に必要アンペア数は、居住人数に基づいたものを選べば問題ありません。
とはいえ、たとえば「一人暮らしで20Aになっているのに、ブレーカーがよく落ちる」などという人もいるかもしれません。以下に、主要な電気機器のアンペア数の目安を並べてみました。ご自身がよく使う機器のアンペア数の合計を出してみると良いでしょう。その合計値が、自分に必要なアンペア数と考えることができますね。
電気機器 | アンペア数 |
---|---|
エアコン(10畳用) | 冷房5.8A/暖房6.6A |
テレビ(42型) | 液晶2.1A/プラズマ4.9A |
冷蔵庫 | 2.5A |
電子レンジ | 15A |
ドライヤー | 12A |
炊飯器 | 13A |
掃除機 | 10A |
2.管理会社にアンペア数を変更していいか確認・許可を取る
必要アンペア数を決めたら、次はご自宅の管理会社やオーナーに、アンペアを変更していいか許可を取る必要があります。
というのも、物件によっては、部屋ごと・もしくは建物全体で、電気の使用可能アンペア数が決まっている可能性があるからです。その値を超えることになってしまうと、たった一部屋のアンペア数を増やすためだけに大がかりな工事が発生してしまうこともあります。
それに、そもそも賃貸とはその名の通り“借りているもの”です。電気であれ何であれ、借りているものを自分仕様に変更したいなら、貸主に許可を取らなければならないのは想像に難くないでしょう。
勝手にアンペア数を変更することはせず、まず管理会社に「○○Aに変更したい」旨を伝えてみてください。
3.契約している電力会社に変更を依頼する
管理会社からアンペア変更の許可が得られたら、次はご自身が契約している電力会社に変更を依頼します。この時、基本的には書類等の手続きは不要ですが、契約内容の変更となるため、変更依頼は契約者ご本人もしくは同居しているご家族にしかできないので注意してくださいね。
アンペア変更の際、工事が必要になるかどうかは“アンペアブレーカーの有無”で決まります。
- アンペアブレーカーとは
契約アンペア数を超える電力が使われたときに、電気の供給をストップさせるブレーカー
つまり、このアンペアブレーカーによって、ご自宅で使えるアンペア数が管理されていると言えますね。ということは、アンペア数を変更するには、このアンペアブレーカーに手を加える必要があるわけです。そのため、アンペアブレーカーがある場合は、作業員による簡単な工事が発生します。加えて、工事への立ち合いも必要になります。
反対に、アンペアブレーカーがない場合は工事はありません。というのも、昨今、使用アンペア数の管理は、スマートメーターというものを用いて遠隔で行われるようになってきています。
- スマートメーターとは
通信機能が搭載された電気メーター。電力会社が遠隔で電気を供給・停止できるほか、利用者もインターネットを通じてリアルタイムに使用量の確認ができる
スマートメーターがあれば、アンペア数をブレーカーで管理する必要はありません。仮に契約アンペア数を超えた場合は、遠隔で電気の供給を停止できるからです。そのため、スマートメーターがある物件ではブレーカーが撤去されていることが多いのですね。
電気の供給を遠隔で操作できるということは、もちろんアンペア数の変更も電力会社が設定を変更するだけで簡単に変えられます。そのため、工事は発生しないのです。
60Aを超える際は工事費用が発生することも
基本的にこれらの工事や作業に費用はかかりませんが、例外として、アンペア数を60A以上に変更したい場合は工事規模が大掛かりになるため、別に工事費用が発生することがあります。ここは、各電力会社によって対応が違うため、変更依頼の際に確認してみてくださいね。
アンペア変更前に知っておきたい注意点
ここまで賃貸のアンペア変更方法を解説してきましたが…
「アンペア変更って簡単にできるんじゃん!」と、安易にアンペアを変更するのは少し待ってください。変更した後に「あれ?」と困ってしまうことがないよう、アンペア変更の注意点も知っておきましょう。そのうえで、アンペアをどれくらい変更するか決めてくださいね。
1.アンペア変更をすると電気代が高くなる
月々の電気代に含まれる“基本料金”は、契約アンペア数によって決まっていることがほとんど。契約アンペア数が大きくなればなるほど、基本料金も高額になっていきます。
試しに、東京電力の基本料金を見てみましょうか。
アンペア数 | 10A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
基本料金 | 311円 75銭 | 623円 50銭 | 935円 25銭 | 1,247円 00銭 | 1,558円 75銭 | 1,870円 50銭 |
たとえば、今まで20Aで契約していたものを30Aに変更したとしましょう。基本料金は一気に300円以上跳ね上がります。たとえば6ヶ月間この基本料金を払い続けるとすると、アンペア数を変更しなかった時と比べて1,800円も差額が出るのです。
「半年で1,800円増」が高いか低いかは今は置いておいて、「月々の電気代が高くなる」ことは押さえておいてください。
2.アンペア数を変更すると1年は再変更できない
「20Aから30Aに変更したけど、梅雨の時期は乾燥機を使うから、実は40Aの方がよかった…!」
たとえばアンペア変更後にこのように感じたとしましょう。でも、一度アンペアを変更したら、一年間はそのアンペア数で過ごさなくてはなりません。「やっぱりこっちのアンペア数がいい」などと、ころころとアンペア数を変えることはできないのです。
基本的には、一年間でもっとも電気代を多く使う冬の時期に合わせてアンペア数の計算をするのをおすすめします。
また、「アンペア数を変更したら電気代が高い!」という場合も同様に、もとのアンペア数に戻すことはできません。アンペア数の変更は、便利さを増幅させますがそれと同時に家計にも影響を及ぼします。自分の生活に最適なアンペア数を見つけるのと併せて、「そもそもアンペア数の変更が必要なのか?」も、今一度きちんと考えてみてくださいね。
まとめ.賃貸でアンペア数を変更するのは簡単だが注意点にも気を付けよう
賃貸でアンペアを変更する際は、まずご自身の生活状況に合わせて“生活に必要なアンペア数”を見つけるところから始めましょう。その後必ず管理会社に「アンペアを変更していいか」許可を取ったうえで、電力会社にアンペア数の変更を依頼すればOK。
ただ、アンペア数を変更すればほぼ必ず月々の電気代は上がります。また、変更後は、一年間はそのアンペア数で生活しなければなりません。変更後に「困ったな」とならないよう、これらの注意点も踏まえたうえで、生活面・料金面のバランスの取れた適切なアンペア数へ変更してくださいね。